カレー探偵、やみちゃん です。
インド・パキスタン遠征 2023 新春
第2章 インド・アムリトサル 編
#007 ハリマンディル・サーヒブ
ドキュメンタリー映画「聖者たちの食卓」(2014年ベルギー)で改めて世界中にその存在を知らしめることになった「黄金寺院」こと、ハリマンディル・サーヒブ。
シク教徒(※世界で5番目に信者数が多い)にとって、もっとも神聖なこの寺院(総本山)は、巨大な四角形の聖なる池に浮かんだ石造りの孤島に建っています。
堀には錦鯉がいました。
シク教とは、16世紀にグル・ナーナクがインドで始めた宗教で、シクは弟子、グルは導師を意味します。
頭にターバンを巻くことでも有名。
(※タイガー・ジェット・シンもシク教徒です)
信者でなくとも参拝は可能ですが、頭を隠す布、バンダナなどを巻く必要があります。
私も参拝の列に並びましたが、とにかくこの大行列。ぶわ。
導師たちを一目見ようと朝から列が絶えません。
私は朝9:30頃だったから、これでもまだましな方で、午後に見たときはさらに混んでいました。ぶわ。
ようやく入った内部は、それはそれは荘厳で。。
2階や屋上部も見学。
内部の撮影はNGですが、中では生演奏に合わせて、経典「グル・グラント・サーヒブ」の詠唱がなされていました。
・プラシャードのハルワ
その後、プラシャード(神からのお下がり)のハルワをいただき、豪快に手喰い。
映画で取り上げられた「グル・カ・ランガル」(共同食堂)へと向かいました。
・動画(12秒)
ここでは、巡礼者や旅行者のために毎日10万食が無料で提供されています。
野菜を切る人。
ニンニクの皮をむく人。
食器を洗う人。
それを片づける人。
・動画(30秒)
大鍋で調理する人。
それをバケツリレーで次次に運び出す人。
この作業に終わりはありません。
なぜなら、ランガル(食堂)は24時間営業だからです。
チャイもあります。
これらの作業に携わっている人人は、すべてボランティア。
シク教の、”宗教、カースト、肌の色、信条、年齢、性別、社会的地位に関係なく、すべての人人は平等である”という教義を守るために考案された500年近く続いている習わしなんです。
※私も食後に皿洗いをお手伝いしました。
・動画(12秒)
広いホールで床に座り、食事をする人人。
なお、2階にも食事場所があります。
私もいただきました。
探偵の食卓!
・サブジ
・ダール
・豆ごはん
・チャパティ
シンプル・イズ・ベストです。
なんどもお代わりをサーブしに来てくれますが、さすがに腹パンジャーブ。
・キール
デカいカトリに大量のキールがどばっ!
(推定300ml)
無料であり、残すことは倫理的にもタブーなので、甘かったけれど何とか完食しました。
なお、メニューは必ずしも固定ということではないらしく、ごはんやスヰーツは自分が食べたものと異なるものも確認できましたよ。
貧しい人たちは家族分の食事ももらってお持ち帰りしているようでした。
#008 シク教を取り巻くあれこれ
アムリトサルまで足を延ばすのはちょっと、、という人は、首都ニューデリーの「バングラ・サヒーブ・グルドワラ」を訪問するのが良いかもしれません。
↓
Bangla Sahib Gurdwara / デリー ■ 北印度&ネパール [03] 聖者食卓
https://ameblo.jp/yamikomon/entry-12568117903.html
そして、日本にもグルドワラ(シク教寺院)はあり、少なくとも帝都と神戸にはありますので、そちらも良いかと。
ランガルもあるそうです。
(※私は未訪なので詳細はわかりません)
今回の黄金寺院ですが、実は悲劇の地としても知られています。
一つ目の悲劇はイギリス支配時代の1919年。
令状なしの逮捕、裁判抜きの投獄を認める「ローラット法」の成立に反対したインド人たちが、抗議のために黄金寺院の脇にある広場に集結。
イギリス軍は見せしめのために、非武装の彼らに対し発砲し、400人以上が死亡する惨事となりました。
もう一つは、1984年、当時の首相インディラ・ガンディーに対するシク教徒の過激派による反政府運動が起こり、激しい衝突の結果、軍隊が黄金寺院に突入し、数百人の死者がでました。
(ブルースター作戦)
その後、シク教を冒涜したとして、インディラ・ガンディーは暗殺されます。
このように、悲しい過去を抱えながらも、今日も24時間営業で食事が提供され続けているのです。
最近の明るい話題も1つ。
2019年11月に、「カルタールプール回廊」が開通しました。
これは、パキスタン側にあるシク教の開祖グル・ナーナクの霊廟に、インド側からビザなしで聖地巡礼できるよう、回廊が整備されたというものです。
これまでインド側のシク教徒たちは聖地にいけなくて頭を悩ませていたのですが、グル・ナーナク生誕550年に合わせて印パ合意のもと、このような人的交流が実現しました。
これを機に両国の結びつきがより深まることを願っています。
やみ「次のカレー活動は、あなたの街のあの店です」
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https://ameblo.jp/yamikomon/entry-12783971702.html